Microsoft Azure Fundamentals(AZ-900)の概要
クラウドの3大プラットフォームのひとつ、Microsoft Azureの入門資格なんですよね——それがAZ-900(Azure Fundamentals)です。AWSのCLF-C02、Google CloudのCloud Digital Leaderと並んで「クラウド三大入門資格」と呼ばれており、Azureサービスの基本概念・クラウドの利点・セキュリティ・コンプライアンスの基礎知識を問います。
Microsoft 365(旧Office 365)やTeams、Intuneを使う企業ではAzureが認証・ID管理の基盤として動いているケースが多く、「クラウドに詳しくないが仕事でAzureを使っている」という人が前提知識の体系化のために受験することも珍しくないです。
特にMicrosoftのMCP(Microsoft Certified Professional)体系の入門資格として位置づけられており、AZ-104(Azureアドミニストレーター)やAZ-305(Azureソリューションアーキテクト)への足がかりとして使われます。2023年から難易度が見直され、合格基準スコアが700点から700点(変更なし)に維持されつつ、出題内容が現代のAzureサービスに合わせて更新されています。
対象者と前提知識
受験資格の制限はないですよ。完全な入門資格として設計されており、Azureや技術的なIT経験がなくても受験できます。
向いているのはこういう人たちです:
- AzureやMicrosoftクラウドに初めて触れる人が最初の一歩として
- IT営業・プリセールス・ビジネス職でAzureを使う顧客と話す機会がある人
- AWS CLF-C02取得済みでマルチクラウドの視野を広げたいエンジニア
- Microsoftのロールベース資格(AZ-104等)を目指す前の準備として
- Office 365 / Azure AD管理者がクラウドの体系知識を整理したい
AWSのCLF-C02よりも受験料が安く(12,500円税別 vs AWS 15,000円税別)、試験時間も短め(45〜65分)です。難易度もCLFと同等か若干易しいという評価が多く、「一番コスパよく取れるクラウド入門資格」と言う人もいます。
出題範囲と試験形式
AZ-900の試験構成はこうなっています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験コード | AZ-900 |
| 出題形式 | 多肢選択式・複数選択式・並べ替え・ドロップダウン等 |
| 問題数 | 40〜60問 |
| 試験時間 | 45〜65分 |
| 受験方法 | Pearson VUE(テストセンター・オンライン) |
| 言語 | 日本語対応あり |
| 合格基準 | 700点以上 / 1000点満点 |
| 受験料 | 12,500円(税別) |
試験ドメインと出題割合
| ドメイン | 出題割合 | 主な内容 |
|---|---|---|
| クラウドの概念 | 25〜30% | IaaS/PaaS/SaaS/サーバーレス、クラウドの利点、責任共有モデル |
| Azureアーキテクチャとサービス | 35〜40% | コンピューティング、ストレージ、ネットワーク、データベース等のサービス一覧 |
| Azureの管理とガバナンス | 30〜35% | コスト管理、リソース管理、Azure Policy、Azure Advisor |
Azureアーキテクチャとサービスのドメインが最大で、Azure独自のサービス名と用途を広く把握することが求められます。ここがポイントで、「このサービスは何をするためのものか」という用途の理解がAWSと同じアプローチで問われますが、Azureは独自の命名規則が多いため(App Service、Azure Functions、Azure Blob Storage等)、AWS経験者でも名前の違いに慣れる時間が必要です。
よく出るAzureサービスと対応AWS/GCP
| 分野 | Azureサービス | AWS対応 |
|---|---|---|
| 仮想マシン | Azure Virtual Machines | EC2 |
| オブジェクトストレージ | Azure Blob Storage | S3 |
| サーバーレス関数 | Azure Functions | Lambda |
| データベース(マネージド) | Azure SQL Database | RDS |
| ID管理 | Azure Active Directory(Entra ID) | IAM + Cognito |
| CDN | Azure Content Delivery Network | CloudFront |
| 監視 | Azure Monitor | CloudWatch |
| AI/機械学習 | Azure Machine Learning / Cognitive Services | SageMaker |
合格率・難易度の分析
Microsoftは公式合格率を開示していませんが、受験者コミュニティの情報から70〜80%程度と推定されています。
| 資格 | 合格率(推定) | 難易度 |
|---|---|---|
| AZ-900(Azure Fundamentals) | 70〜80% | ★★☆☆☆ |
| AWS CLF-C02 | 70〜75% | ★★☆☆☆ |
| AZ-104(Azureアドミニストレーター) | 50〜60% | ★★★★☆ |
| Google Cloud Associate Cloud Engineer | 50〜60% | ★★★☆☆ |
| 基本情報技術者試験 | 40〜50% | ★★★☆☆ |
入門資格として合格率は高めに設定されています。ただし「なんとなく受けたら受かった」という試験ではなく、Azureのサービスカタログを幅広く把握し、クラウドの基本概念(責任共有モデル、TCO、従量課金のメリット等)を理解している必要があります。
AWS CLFとの比較では、AZ-900はサービス数(Azureのサービス数はAWSより少ない)の面でやや覚えやすいという声が多いです。
効率的な学習アプローチ
AZ-900はMicrosoftが無料の公式学習コンテンツを充実させており、それだけで合格できる作りになっています。
推奨学習ステップ
- Microsoft Learnで「Azure Fundamentals」ラーニングパスを完走(1〜2週間): Microsoftが提供する無料の公式学習パス「Microsoft Azure Fundamentals(AZ-900)」は、ゲーミフィケーション形式で6モジュール構成。ここがスタートポイントです
- Microsoft公式の練習問題を実施: Microsoft公式サイトで無料の練習問題(模擬試験)が公開されており、実際の出題形式に慣れるために使います
- Udemyやオンライン模擬試験で演習: Scott DumkyやAlan Rodger等のAZ-900コース(Udemy)は模擬試験問題が充実しています。正答率85%以上を安定して出せるまで繰り返す
- Azure無料アカウントで実際に触ってみる: Azure無料トライアル($200クレジット、30日間)を使い、仮想マシン作成やBlobストレージ操作を実際に体験すると知識が定着します
おすすめ教材
| 教材 | 特徴 | 費用 |
|---|---|---|
| Microsoft Learn(AZ-900 ラーニングパス) | 公式無料コンテンツ。試験と直結した構成 | 無料 |
| 「ひとりで学べる Microsoft Azure」(日経BP) | 日本語テキストの定番。図解が分かりやすい | 約3,200円 |
| Scott Dumky AZ-900 模擬試験(Udemy) | 実践的な模擬問題集。英語だが解説が丁寧 | セール時$15〜 |
| 「徹底攻略 Microsoft Azure Fundamentals問題集」(インプレス) | 日本語問題集。AZ-900対応 | 約2,500円 |
取得後のスキルマップ
AZ-900はMicrosoft認定資格体系の入口であり、ここから複数の方向に進めます。
Microsoft認定の上位パス
| 資格 | 対象 | 難易度 |
|---|---|---|
| AZ-104(Azureアドミニストレーター) | Azureリソース管理の実践者 | ★★★★☆ |
| AZ-204(Azure Developer Associate) | Azureアプリ開発者 | ★★★★☆ |
| AZ-305(Azure Solutions Architect Expert) | 上級アーキテクト | ★★★★★ |
| SC-900(セキュリティ入門) | セキュリティ・コンプライアンス基礎 | ★★☆☆☆ |
マルチクラウド対応の組み合わせ
| 資格 | 組み合わせの意図 |
|---|---|
| AWS CLF-C02 | AWS + Azureでマルチクラウドの基礎を両方カバー |
| Google Cloud Digital Leader | 3大クラウド全ての入門資格でクラウド全体像を把握 |
| 基本情報技術者試験 | IT全般 × Azureで「クラウドも知っているITエンジニア」 |
AZ-900は「これ1枚で転職が有利になる」という性質の資格ではないですが、Microsoftエコシステム(Office 365、Azure AD、Teams、Intune)を使う企業では「Azure分かります」の証明として機能します。転職・キャリアチェンジよりも、AZ-104等の上位資格を目指す前の通過点として使われることが多いですよ。
