JATI認定トレーニング指導者(JATI-ATI)とは
JATI認定トレーニング指導者(JATI-ATI: Accredited Trainer Instructor)は、特定非営利活動法人日本トレーニング指導者協会(JATI)が認定するトレーニング指導の専門資格です。科学的根拠に基づいたトレーニング指導の知識・技術を体系的に認定し、スポーツ選手から一般成人・シニア・ジュニアまで幅広い対象者への安全で効果的なトレーニング指導ができる人材を育成・認定することを目的としています。
日本では「パーソナルトレーナー資格」の選択肢がいくつかありますが、JATIは「日本人指導者向けの科学的・実践的な資格」として国内スポーツ現場での評価が高く、プロスポーツチームのトレーナーやフィットネスクラブの中核スタッフが取得しています。NSCA・NESTAといった海外発の資格と並んで求人要件として記載されることも多い資格です。
資格の段階
| 資格名 | 略称 | 対象・特徴 |
|---|---|---|
| トレーニング指導者 | JATI-ATI | 一般成人・シニア・ジュニア・スポーツ選手への基礎的なトレーニング指導 |
| 上級トレーニング指導者 | JATI-AATI | 競技スポーツ選手に対する専門的トレーニング指導 |
| 特別上級トレーニング指導者 | JATI-SATI | トップアスリート・コーチングスタッフへの高度な指導 |
本記事では最も一般的な入門資格であるJATI-ATIを解説します。
受験資格
JATI-ATIの受験方法は「養成校・養成機関経由」と「一般対象試験」の2区分があります。
一般対象認定試験の場合
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| JATI会員登録 | 受験前に入会(年会費11,000円) |
| 特別免除講習(選択) | 養成校等で学んでいない場合、JATIが主催する特別免除講習の受講が推奨 |
| 受験申込 | JATI公式サイトから所定の申込フォームで受付 |
一般対象試験は学歴・職歴などの制限はありません。ただし、トレーニング科学の基礎知識がないと試験範囲が広いため、十分な学習期間を設けることが重要です。
試験内容
試験は一般科目と専門科目の2科目マークシート方式です。
一般科目
| テーマ | 内容 |
|---|---|
| 運動生理学 | エネルギー代謝・筋肥大メカニズム・有酸素能力の向上・ホルモン変動 |
| 解剖学・生体力学 | 筋骨格系の構造・関節可動域・姿勢分析・力学的基礎 |
| スポーツ医学 | 傷害予防・疲労・回復・スポーツ障害の種類と対応 |
| 栄養学 | 三大栄養素・サプリメント・試合期の栄養戦略 |
| 心理学 | 動機付け・目標設定・コーチング理論の基礎 |
専門科目
| テーマ | 内容 |
|---|---|
| トレーニング科学の基礎 | トレーニング原則・超回復・ピリオダイゼーション(期分け) |
| ウエイトトレーニング | フリーウエイト・マシン・体重トレーニングの理論と方法 |
| コンディショニング | ストレッチ・コアトレーニング・ウォームアップ・クールダウン |
| 対象者別指導 | ジュニア・シニア・女性・傷害リハビリ者などへの配慮 |
| プログラムデザイン | 目標設定→体力測定→プログラム作成→評価の流れ |
各科目とも**90問出題(4択マークシート)**です。
合格率・難易度
| 受験区分 | 合格率目安 |
|---|---|
| 一般対象認定試験 | 80〜93%(受験者の絶対数が少なく、準備してきた方が多い) |
| 養成校・養成機関対象試験 | 55〜70%(受験者数が多く、準備不十分な方も含む) |
試験の難易度そのものは「しっかり対策すれば合格できる」レベルです。ただし出題範囲が運動生理学・解剖学・栄養学・スポーツ医学・トレーニング科学と幅広いため、まとまった学習時間の確保が必要です。
試験日程
年3回(10月・12月・3月)に実施されます。試験会場は東京・大阪・名古屋・福岡など主要都市に設置されます。
費用の全体像
| 費用項目 | 金額 |
|---|---|
| JATI年会費 | 11,000円/年 |
| 受験料(2科目) | 33,000円 |
| 特別免除講習(受講する場合) | 別途費用(概要はJATI公式サイトで確認) |
| 養成機関経由の場合 | 養成講習会費用が別途必要(学校・機関によって異なる) |
養成機関経由の場合、全体で17万円前後かかることがあります。一般対象試験のみで受験すれば費用は4〜5万円程度に抑えられます。
効果的な勉強法
独学の場合
- JATI公式テキスト「NSCAストレングス&コンディショニング第4版」等を活用: JATIが推薦する参考書を中心に学習
- 運動生理学の基礎を固める: 合否を左右するのが生理学の理解度。しっかり時間をかける
- 過去問・模擬問題で演習: JATI公式サイトや市販問題集で繰り返し演習
- 苦手科目を把握して重点学習: 一般科目・専門科目をバランスよく得点できるよう調整
養成講座の活用
JATI認定養成機関(専門学校・大学・民間スクール)が提供する養成講習会に参加すると、試験範囲を体系的に学べます。費用は高くなりますが、合格確率を上げたい方や体系的に学びたい方に向いています。
資格取得後のキャリア
| 場所 | 活動内容 |
|---|---|
| パーソナルトレーニングジム | 個人クライアントへのトレーニング指導・プログラム作成 |
| フィットネスクラブ | 会員へのマシン指導・グループトレーニング |
| スポーツチーム | 実業団・アマチュアチームのフィジカルトレーナー |
| 学校・部活 | 中高生の運動部への科学的トレーニング指導 |
| リハビリ施設 | 運動療法補助・体力回復プログラムの作成 |
関連資格
| 資格 | 特徴 |
|---|---|
| NSCA-CPT | 米国認定の世界標準パーソナルトレーナー資格 |
| NSCA-CSCS | ストレングス&コンディショニング専門の上位資格 |
| NESTA-PFT | NESTAが認定するパーソナルフィットネストレーナー資格 |
| 健康運動指導士 | 公益財団法人健康・体力づくり事業財団が認定する医療連携の強い資格 |
| JATI-AATI | JATIの上位資格。競技スポーツ選手指導に特化 |